あるきっかけで青木潤太朗『鍋に弾丸を受けながら』という漫画を読んでいる。これが面白い。世界各国の現地人だけが知っていそうな魅惑のグルメを食べるという漫画で、曰く「危険なところほど20点か5万点の食事に巡り会える」。だから危険なところでも、細心の注意を払いながら行くわけである。ちなみにこの漫画のもう一点特筆するべき点は、主人公が2次元の美少女を過剰摂取したせいで、目に見える人間すべてが美少女に見えるという設定である。結果、この漫画には美少女しか出てこない。
面白いだけでなく、自分だったら…といろいろ考えさせられる漫画である。例えば私だったらメキシコに一人で行くことは到底考えられない。ツアーだったとしても。加えて、今の(まさにこの11月の)アメリカに行くことも憚られる。大統領選の結果によっては暴動が起きるかもしれない。他にもある。北部と経済格差が広まることで治安が悪化の一途を辿るイタリア南部、死ぬ可能性のある犯罪発生率が高いブラジル。ロシア、ウクライナ、イスラエル、パレスチナ……。行きづらい国が増えたように感じるのは情報化が進んだだけじゃない。確実に世界情勢は不安定である。そのせいか、最近はアジアに足が向くことが増えた。台湾も韓国も安心して歩ける。
だからといって「あそこは危険な国だから」で片付けたくないという気持ちが、この漫画を読んでいるとふつふつと湧いてくる。他国から見ればどんなに危険な国でもそこには生活している人たちがいて、彼らなりに生きている。メキシコ、いつか行けるかな…。
そしてこれをきっかけにメキシコの治安についてもう少し調べてみたらこんな警告が出てきた。解決にはなかなか長い時間がかかりそうである。
(1)ゲレロ州チルパンシンゴ市及びその周辺地域
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
チルパンシンゴ市では、自警団と称する武装集団や犯罪組織間の抗争及びこれらと治安当局との衝突が発生しており、これらに起因する多くの殺人及び誘拐事件が報告されているなど、治安に改善傾向は見られません。
チルパンシンゴ市周辺(ティエラ・コロラダを含むチルパンシンゴ市全域及び近隣のチラパ・デ・アルバレス市)は治安改善対策の重点地域として国家警備隊等が配備されていますが、現段階では目立った成果は見られず、依然として危険な状況です。
つきましては、これらの地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。