鍋の季節がやってきて、すぐに去った

せっかく羽毛布団を押入れから引っ張り出したのに明日は最高気温が30℃近いという。一体どうすればいいのだ。服も寝具もわからない。

先日、寒くなった日に勇んで鍋を作り、白菜が少し余ったので今日も鍋にした。今日は特に寒いというわけではなかったけれど。寒い季節は数え切れないくらい鍋をする。鍋は安心するのだ。野菜がたくさん食べられるし、豆腐やさつまあげや肉でタンパク質もとれる。〆は雑炊にしようか、うどんにしようかと悩むのも楽しい。そういうわけで今日は白菜、豆苗、豚肉の鍋にした。〆はうどん。黄金一味という、爽やかな辛味のある一味を時々入れる。

昔はよく鍋の味付けに悩んでいたけれど、最近は鶏ガラ、味噌、めんつゆをあわせてつくる。市販の鍋の素は味が濃すぎるので、年に一度買うか買わないかである。

こんなふうに鍋が冬の日々に根付いてしまったせいか、外食するときにあえて鍋を選ぶことがほとんどなくなった。昔は安いしゃぶしゃぶのお店や、モツ鍋を楽しくつついていたのだけれど。そんな私でも唯一、この鍋のためなら予定を空けようと思う店はとあるちゃんこ屋である。仰々しい雰囲気はまったく無く、しかし上品な鶏のスープにすべての食材がマッチしている、素晴らしい鍋である。鍋とはこうあるべき、と思う。温かさとは親しみやすさなのだ。